インタビュー#6 大工のかわち
インタビュー
2019.02.25記事更新
インタビュー#6 大工のかわち
今回のインタビューは、若き大工さんのかわちです。話を聞くにあたって現在仕事の現場である真備に伺いました。
すぎ
こんにちは。このインタビュー企画が始まった際に、「俺ぜったいインタビューとかできんわ〜全然話せんよ〜」って言っていたけど、ここにきてまさかのご指名が入ってしまいましたので、お話聞きに真備まで来ちゃいました。
かわち
まさかですよね。
すぎ
前回のせいちゃんからの推薦の理由が、「若いのに落ち着いている」でしたよ。
かわち
そんなつもりはないですけどね。
すぎ
「頼れる男」「作業の時に、かわちがいたら安心!」とせいちゃんに褒め殺されてたよ。たしかにぼっけーまち会議でも裏方の撮影の仕事とか淡々とこなしているしね。
かわち
自分がメインというよりかは持ち上げてあげる側の方がいいんですよね。
すぎ
なるほど、それは小さい時からそうだった?
かわち
うーん、というか基本目立ちたくなかったかな。小学校でよく手を上げて発表するじゃないですか。ああいうの絶対やってなかった。
すぎ
へー、俺とか、「ハイッッ!!」って手上げてたけどね(笑。
かわち
そういうのめっちゃ苦手だった(笑。
すぎ
いろんな子供がいるもんだ。さてさて、頼れる男かわちを知るために、今回個人的にもぜひ聞きたいなと思ったのは、かわちの職業「大工」についてです。大工ってめっちゃ身近な職業代表なんだけど、実際はそんなに周りにいなくて仕事の話を聞くタイミングってないんですよね。
かわち
あー、まあそうなんかなあ。全然話しますよ。
すぎ
ではまず最初の就職についてなんだけど、かわちはお父さんが大工やられているから、学校卒業と同時に継いだのですか?
かわち
卒業後は大工じゃないけど、建設土木関係の会社に入って現場監督をやりましたよ。すぐに辞めちゃったんすけどね。それはもう、まー、肌に合わなかった(笑。
すぎ
あら。どんなところが?
かわち
性格的にいじられるの好きじゃないんだけど、いじられたりとかして。
それよりも、仕事面で何も分からないのにいきなり現場監督※をやったから、何のためなのか分からないのに、作業員に指示を出さないといけなかったりして。。ストレスだった。その場その場の作業をやって覚えろというスタンスで、先輩に聞いても時間のあるときにしか答えてもらえなかったりして。自分が今何をしているのかが分からんかった。
(※現場で設計図に従って作業員に指示を出したりスケジュール管理をする役割)

すぎ
あー、それはストレスだわ。
かわち
それをずっとやっとったら、面白みとかもないじゃないすか。ここに鉄筋を配置してって言われるけど、なんでなのか分からんし、とりあえずそうしろって言われてもって感じだった。
すぎ
高校卒業後、初めての就職先だから18歳のときだよね?
かわち
そう。もう半年くらいで仕事のやりがい感じないし、そもそも行きたくなくなってた。そんな時に、親父がじゃあうちで働いてもいいんじゃねえかってなって。その時は合わなかったらまた変えればいいしってことで始めたけど、それ以来働いとるんよなー。
すぎ
親父さんからしたら繋ぎとしてでもいいから働いてみたらって感じだったんですかね。
かわち
たぶんそんなだったと思いますよ。大工を継げとはいっぺんも言ってないですね。
すぎ
へー。ちなみに、仕事内容は家が中心?工務店から下請けの仕事がくるとか?
かわち
家が中心だけど、ほとんどは一般のお客さんから直接依頼がくるかなあ。
すぎ
そーなんだ。個人的に遠い存在の大工さんに、直接仕事依頼するんだ。ちなみにどういう内容?新築も個人からくる?図面は書くん?
かわち
基本はリフォームがほとんどだから図面は間取り図など必要な時だけですよ。新築を建てるときには設計事務所に図面を引いてもらってそれを建てる感じ。
すぎ
僕は内装設計の仕事をやっているからいくらか分かるんだけど、一般の人って基礎や屋根、窓建具、さらには水道や電気までを全て大工さんがやってくれるって思ってると思うんですよ。
かわち
あー、そうですね。大工が家全て建ててるって思っているでしょうね(笑。色々な工程があってそれぞれに担当の業者さんがいてその方達をまとめるって感じですね。まあ簡単なものは自分たちでやりきりますけど。例えば、簡単な増築の基礎くらいなら自分でやるとか。
すぎ
今、新築を建ててって言われたら、かわち一人で建てれる?
かわち
無理ですね。ひとつひとつの作業はできるけど、段取りができないんすよ。さっき言った色々な工程の組み立てができなくって。
すぎ
お、段取り。よく段取りが仕事の7割とか言われるあれね。
かわち
そうなんすよ。家を作るには、まず設計士さんに図面を引いてもらって、その図面を元に材料屋さんに木材などのプレカットを依頼しないといけないんすよ。その前に基礎屋さんに基礎を作る工程組んでもらったり、柱梁が建つと同時に屋根屋さんに入ってもらわないといけない。同時進行でいろんな役割の人のスケジュールを組んだり、天候に左右された時のことを考えないといけなくって、そういう全ての流れをイメージしながら建てる必要があるんすよ。まだそういう段取りを把握しきれないんすよね。

すぎ
おおお、大変そう。。実際現場で木を組み立ててるのなんか一部にすぎないんですね。
かわち
だいたいのこと全部わかってないといけないのが大変ですかね。他の業者とも話しができなくなるんで。まあわかってなくても業者さん教えてはくれるんだけど。
すぎ
この仕事やっててよかったわーって思ったことは?
かわち
やっぱ褒めてもらったりするとよかったなーって思いますね。リフォームして良くなった、使いやすくなったとか言ってもらえるんすよ。すごいときは、仕事がきっかけでお客さんと家族ぐるみで仲良くなったりとかしてますしね。
すぎ
すごいっすね。今リフォームって出たけど、ちなみにリフォームと新築だったらやっぱり1から作れる新築の方が楽しかったりするんですかね?
かわち
いや、リフォームの方ですね。その分難しいけど。もともとあるものって柱が狂ってたりとかしてその狂いに合わせながら最終的に綺麗に仕上げる必要があるんで頭使って作っていくんすよ。うまくいった時は、おおー上手くできたって自分で思って楽しくなりますよ。その分新築はリフォームと比べて簡単で、お金も入るんすけど決まったことをするんで楽しさはリフォームの方が大きいですね。

すぎ
おおー、新築は綺麗にできて当たり前と。 さて話は変わって、まち会議には運営メンバーとして中心で活動してますよね、続けている理由ってどんなところなんですかね?
かわち
みんなも一生懸命やってるし。運営をやっているといっしょにいる時間が多くなって関係も濃くなる。逆に俺なんかだともし定例会だけしか行ってなかったら月1なんで、あんまり行かなくなってしまいそう。
年齢や仕事の違いが魅力でとかはない。一生懸命がんばっている人がいると、手伝ってあげたいって思いがあるかなあ。
すぎ
なるほど。
すぎ
さて。
かわち
はい。
すぎ
そういえば。
かわち
はい。
すぎ
ご結婚おめでとうございます。なんとお互いまち会議メンバーでのゴールですね。
かわち
あー、それですか。ありがとうございます。

すぎ
話によると、初めて会ったのは、北木島だったとか。
かわち
そうですね。まち会議の空き家再生のプロジェクトで北木島にプロジェクトに関わる空き家があって。自分が大工だから空き家の状態を大工の視点で見てくれってメンバーの一人に言われて現場に行ったんすよ。
そしたら彼女がいました。
彼女とそのメンバーと、親父と自分の4人でした。
すぎ
なんだか島ってだけで特別感や非日常なのにそこで出会うとはね。
その後はまち会議内のプロジェクトや運営の作業とかして仲良くなっていった感じですかね。
かわち
二人で釣りとか行きましたよ、寄島とかに。
というのも最初会った北木島の時、自分は早く着いてたから釣りしてたんですよ。それで彼女が働いてる福祉施設の利用者さんに釣りがしたいって方がいたそうで、その利用者さんと釣りの話をするために釣りを覚えたいと。
すぎ
えっ、なんという!ええ子や。
あ、というか僕は釣り大好きだけど人生で釣りデートとかしたことないし!羨ましいっす。
かわち
いやいや。
あと自分は基本的に相手に対して身構える人間だけど、いっしょにいても身構えるようなことがなくって、気を使わなくてもいい感じだった。
すぎ
ああ、「ノリ」があっていたんですね。それにしても田舎の良さがでた二人の時間の過ごし方ですねー。
かわち
そういうのが好きだったんでしょうね。好んで街中で遊ぶ感じではなかった。
すぎ
そんな相手がまち会議にいたもんだから、親としては「息子、よくぞまち会議に参加したな、最高」って思いですね。
かわち
ははは(笑。先にも言いましたけど北木島にも親父がいたんですよ。それで後から聞いた話なんですが、「あの子ええじゃん」って親父の方が先に気に入ってて「息子と結婚してくれんかなあ」って言ってたらしいんですよ。同行してたメンバーが後になって教えてくれました。
すぎ
うおおぉ!!!先に親父公認。
いやあ、ほっこりしてしまった。
かわち
いやいや、こんなこと記事にしていいんですか?
すぎ
関係者がいいと言えば大丈夫なはず(笑。ご確認よろしくお願いします。
かわち
はい。
(↑そして関係者からの許可が得られましたので記事化しました(笑。)

すぎ
では、そろそろ次回のインタビューの候補を考えて欲しく。
かわち
はい、決めてきましたよ。にっしーさんで!
にっしーさん
すぎ
にっしーさん!どういうところがでしょうか!?
かわち
まち会議のプロジェクトや運営の活動をすごい一生懸命やっているのはなんでだろう?と思って一度聞いてみたことがあったんすよ。その答えが「気晴らしになるから」。そこそこ大変なことなのに、気晴らしってなぜ!?また、それってかっこいいじゃないですか。仕事やたぶんまち会議以外にもいろいろと活動してそうでとても忙しそうなのに。そこを聞いてみてほしいです。
すぎ
気晴らし。たしかにかっこいいですね。ではではその内容を根ほり葉ほりと聞いて来ます。本日は仕事中にありがとうございました!
記事一覧にもどる
トップへ